タイでバズった“日本の〇〇”とは?

2025年8月8日 最終更新日:2025年11月10日

タイ人観光客の心を掴む最新トレンドと、インバウンド戦略のヒント

日本は今もタイ人にとって憧れの旅行先。しかし、旅のスタイルや価値観は大きく変化しています。
「有名どころ巡り」から、「シェアしたくなる映え体験」へ――。SNS文化を背景にした新しい旅行ニーズをキャッチすることで、地方・中小事業者にもチャンスが広がります。


タイで注目!“いまどき”の日本旅行トレンド

① 地方の自然と「スロートラベル」が人気急上昇

都市部を離れ、四季の風景やノスタルジーある町並みに癒やしを求める傾向が強まっています。
特に、四季折々の自然風景や、レトロな町並み、静かな温泉街は「日本らしい」と好評です。

例:

  • 富士山を望む河口湖の宿
  • 合掌造り集落・白川郷での民泊体験
  • 美瑛や阿蘇での自然に包まれる旅

② “パッケージ離れ”して、自由旅行スタイルが主流に

個人で航空券・宿・移動手段を手配し、YouTube・TikTokで旅を設計するのが当たり前に。
旅のプランは「動画からのインスピレーション」がカギ。
旅行代理店のパッケージよりも、自分のペースで自由に回れる旅が好まれています。

例:

  • “タイ人Youtuberが選ぶ富士五湖ベスト3”のような動画が行動のきっかけに
  • 九州をレンタカーで3泊4日旅する映像が人気

左の画像は、TikTokの検索画面です。
よく検索されるキーワード(例)

  • 日本 旅行(เที่ยวญี่ปุ่น)
  • 日本 10月(ญี่ปุ่นเดือนตุลาคม)
  • 日本 夏(ญี่ปุ่นหน้าร้อน)
  • 日本 どこに行くべき?(ญี่ปุ่นควรไปที่ไหนดี)

季節ごとのおすすめ行くべきスポット に関心が高い傾向です。

タイ人がよく使っている日本旅行系ハッシュタグ

ハッシュタグ内容タイ語訳備考
東京の定番観光スポットまとめรวมที่เที่ยวที่ไม่ควรพลาดในโตเกียว「初めての東京」に最適
日本の冬&夏のおすすめ観光地ที่เที่ยวญี่ปุ่นหน้าหนาว หน้าร้อน季節別の人気投稿が多い
秘密の桜スポットจุดชมซากุระลับๆ「人が少ない穴場」を重視
日本の穴場観光地まとめรวมที่เที่ยวลับๆในญี่ปุ่น定番以外のローカル人気地
東京の隠れ家カフェคาเฟ่ลับในโตเกียวSNS映え・落ち着く雰囲気が人気

ポイント解説

  • ลับ(ラップ)」=“秘密の・隠れた”という意味で、SNSでは 「他の人が知らない・自分だけが知っている」 という特別感が好まれます。
  • 投稿の多くは「写真映え・動画映え」を意識しており、カフェ・景色・着物体験・ローカル温泉地などが人気。
  • 「まとめ系(รวม〜)」のコンテンツが多く、全部見て比較できることが好まれます。

このようなキーワードやハッシュタグを意識して、プロモーションの切り口やSNS投稿の構成を作ると、タイ人旅行者の心を掴む確率がぐんと高まります


③“映える旅”が最重要ミッション

写真や動画をSNSで投稿すること自体が旅の目的のひとつ。「日本らしさ」×「フォトジェニック」な体験が刺さります。
おしゃれなカフェ、着物体験、温泉旅館、和菓子作り体験など、「日本ならでは」かつ「フォトジェニック」な体験が人気です。

例:

  • 鎌倉の古民家カフェ×抹茶スイーツ
  • 京都の着物×人力車でInstagram投稿
  • 和菓子作り・忍者体験・抹茶点て体験なども◎

タイ人観光客は、日本旅行の写真や動画をSNSに投稿する際、キャプションに加えて「#รีวิวเที่ยวญี่ปุ่น(日本旅行レビュー)」などのハッシュタグを付けるのが一般的です。

このハッシュタグは、自分の体験を他の人と共有する手段であり、また旅行前に情報収集をする人がリアルな口コミを探す際の入口にもなっています。

そのため、地域や店舗側もハッシュタグを活用した投稿キャンペーンを行うことで、タイ人の間での認知拡大や集客につなげることができます


観光業以外もチャンスあり!業種別アクションのヒント

■ ホテル・宿泊施設

  • 畳・露天風呂・庭園など、“日本らしさ”が高評価
  • フォトスポット(縁側・竹林・浴衣)でSNS映えを演出
  • タイ語の挨拶POPやチェックイン案内で安心感UP

■ 商業施設・お土産店

  • 「タイ人に人気のお土産」専用コーナーで注目度UP(例:抹茶、温泉の素、アニメ雑貨)
  • タイ語POPや翻訳QRで購買率向上
  • 「商品×写真投稿でプレゼント」キャンペーンでSNS拡散を促進

日本を旅行したタイ人のSNS投稿では、「日本のドラッグストアで買うべきアイテム」を紹介する内容が人気です。実際にTikTokには、「2025年版・日本のドラッグストアで買うべきアイテムまとめ」というタイトル付きの投稿も見られます。

投稿には、以下のようなハッシュタグがよく使われています:

  • #ของฝากจากญี่ปุ่น(日本のお土産)
  • #ไอเทมจากญี่ปุ่นที่น่าสนใจ(気になる日本のアイテム)

これらのハッシュタグは、旅行者同士の情報共有や、お土産選びの参考として活用されており、日本の商品への関心の高さがうかがえます。
特にドラッグストアや小売業者にとっては、**「何が人気か」「どう紹介されているか」**を把握することで、タイ人向け販促のヒントになります。


■ レンタカー会社

  • タイ語対応の操作ガイドや動画で信頼感◎
  • 初心者向けルート提案(例:阿蘇〜別府)でハードルを下げる
  • 北海道・九州などでの“ドライブ動画”がバズり中

■ 地方自治体・観光協会

  • タイ人インフルエンサー招致で現地目線の魅力発信
  • 茶道・味噌づくり・忍者体験など「参加型文化体験」が人気
  • 「1日モデルコース(タイ語PDF)」が旅程決定の手助けに

タイ市場向けインバウンド戦略のアイデア

戦略内容・ポイント
タイ語対応メニュー・案内・Webサイトの一部をタイ語に翻訳
SNS映えする演出フォトスポットの設置、投稿キャンペーンの実施
KOL(タイ人インフルエンサー)活用滞在体験をInstagramやYouTubeで発信してもらう
タイの大型連休に合わせたプロモーションソンクラン(4月)、母の日(8月)、年末年始など
“日本らしさ”の提供着物、和菓子、抹茶、伝統工芸体験など地元資源を活かす

最後に|「タイ人に刺さる」発信のために

SNSのハッシュタグ・検索ワードを参考に、企画や商品・体験の見せ方を再設計しましょう。

観光業以外でも「旅の一部」になる発信・準備をすることで、選ばれる地域・施設になれるチャンスがあります。

タイマーケティング研究所
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