2025.10.7 更新
2025.7.17 公開
2025年10月7日現在、タイバーツ(THB)が対円で高値を継続しています。2025年9月
2025年9月13日にはの最高値1タイバーツ=4.6762円となり、現在も高値圏です。 これは為替市場のみならず、観光業や貿易にも広く影響が及び始めています。
日本からタイへの旅行には逆風ですが、訪日タイ人や日本からタイへの輸出には追い風となります。

タイバーツに対して円安の進行
日々のニュースで対USドルや対ユーロに関して円安の話題が殆どです。
しかし、私達が注目すべきは、タイバーツに対しては更に円安なっているという点です。対バーツは4.6円台という水準まで下落しています。
2016年7月30日からタイバーツの上昇率は約58.6%
約9年前の2016年7月30日には、1バーツ=約2.9円でした。それが2025年10月現在には4.6円を超える水準になっています。約58.6%もの円安バーツ高が進行している計算になります(4.6 ÷ 2.9 ≒ 1.586)。
この変動は、タイ人から見たときの日本の物価が大幅に「割安」になったことを意味します。
訪日タイ人旅行者への影響:この秋以降の動向
このようなバーツ高・円安の状況下では、タイから日本への旅行需要が大きく拡大する可能性があります。 例年10月~4月にタイからの訪日客が増加します。 下図は2019年の月別の訪日タイ人の推移です。

▶ タイ人にとって「今こそ日本旅行のチャンス」
- 円建ての商品・宿泊費・体験コンテンツなどが大幅に割安に。
- 都市観光だけでなく、地方や温泉地にも旅行者が広がると期待されています。
▶ 秋以降のプロモーションは加速へ
- タイ国内の旅行会社に、秋~冬の訪日旅行の問合せが増えているそうです。
- SNSでも「#ญี่ปุ่นถูกมาก(日本がとても安い)」というハッシュタグが増加。
▶ 高付加価値旅行の需要も拡大
- 富裕層やリピーターによる「地方体験」「ラグジュアリー滞在」の需要増も見込まれます。
タイ向け輸出の好機到来
この為替状況は、日本からタイへの輸出にも大きな追い風です。
▶ タイの仕入れ側にとっては「今がチャンス」
- 円建て商品の価格競争力が強化され、日本製品の仕入れに積極的な動きが見られます。
- 特に化粧品、食品、アニメグッズ、電化製品、和雑貨などのカテゴリに注目。
▶ 越境EC・BtoC販売の強化にも追い風
- タイ人が日本のECサイトやライブコマースを通じて、直接購入する動きが活発化。
- SNS広告やインフルエンサーマーケティングも成果を上げやすいタイミングです。
今後の見通しとアクションの提案
今後も為替は流動的ではあるものの、短中期的には円安トレンドが続く可能性が指摘されています。この状況をチャンスと捉え、以下のようなアクションを取ることが推奨されます:
- 訪日観光マーケティングの即時強化
秋~冬に向けてのプロモーション素材(動画・記事・キャンペーン)を早期に展開。 - タイ語での販促体制の整備
パンフレット、ウェブサイト、SNS対応などをタイ語で強化 や、 Pantip.com の活用。 - タイ向け輸出の再検討
既存商品のローカライズや、現地販売パートナーとの連携を強化。
結論:バーツ高の今こそ、日本がタイ市場で攻めるべき時
2025年夏のバーツ高・円安という“タイミング”は一過性ではなく、大きな経済トレンドの一環として捉えるべきです。訪日タイ人の増加と日本製品の需要拡大、両方のチャンスが揃う今、地方自治体・観光地・中小企業にとっても絶好の追い風となっています。
