タイ国際旅行フェア2026・Thai International Travel Fair(TITF)#31 現地レポート

2026年1月26日 最終更新日:2026年1月26日

22026年1月25日(日)、バンコクのクイーン・シリキット・ナショナル・コンベンションセンター(QSNCC)で開催された Thai International Travel Fair 2026(TITF#31)会場には 600以上のブース が並びました。今回は、出展者リストを見る、約28の団体・ブランド が出展していました。出展者としては、観光局・自治体・都市単位での観光プロモーション(DMO) が中心となっており、
そのほか、ホテル・リゾート、交通関連(航空会社・鉄道など)、ライフスタイルブランド、メディア関連 といった分野の出展も見られました。

今回の目的は、イベント全体の雰囲気や出展傾向、来場者への訴求方法を把握することです。
特に、日本関連ブース(Japan Zone) を中心に、ツアー会社ゾーン にも注目しながら会場を回りました。

会場全体の雰囲気

最終日の午後という時間帯ではありましたが、会場内は引き続き多くの来場者で賑わっており、
特に海外旅行関連ゾーンツアー会社ゾーンでは、ブース前で足を止めて話を聞く来場者の姿が多く見られました。

近年の傾向として、単にパンフレットを配布するだけでなく、ゲームや抽選、SNSと連動した参加型企画を取り入れるブースが増えており、来場者との接点を意識した展示が主流になっていると感じました。

Japan Zoneで見られた特徴と変化!

①.「景品×SNSフォロー」施策は引き続き主流

Japan Zoneの多くのブースでは、

  • 来場者向けの景品配布や抽選企画
  • それと連動したSNSアカウントのフォロー促進

といった施策が共通して見られました。
来場者にとって参加しやすく、ブース側にとっても認知拡大につながる定番の手法として定着している印象です。

②.今年特に目立った変化:TikTokの活用強化

今年のJapan Zoneで特に印象的だったのは、
FacebookやInstagramに加え、TikTokのフォローを強く促しているブースが増えていた点です。

実際にブーススタッフの方からは、次のような声を聞くことができました。
最近のタイ人のSNS利用では、TikTokの利用者が急増しています。今後はTikTokを活用したPRの方が、より多くのタイ人にリーチし、日本の魅力を伝えやすくなると考えています。

このことから、日本側の出展者がタイ市場におけるSNSトレンドの変化を強く意識し、プロモーション戦略をアップデートしていることがうかがえました。

③.地方(主要都市以外)への関心の高まり
もう一つ印象的だったのは、主要な目的地ではない地方エリア
またはタイ市場でまだ知名度が高くない地域への関心が、少しずつ高まっている点です。

例えば、鳥取県(Tottori) はその一例だと感じました。
鳥取県はこれまで複数のイベントに継続的に出展していますが、当初はブースに立ち寄る来場者が多くなかった一方で、最近では来場者が徐々に増え、会話や相談につながるケースが増えているように見受けられます。

この背景には、地域そのものの魅力(街の特徴や観光資源)の訴求に加え、
タイ人旅行者の間で**「新しい旅行先を探したい」**というニーズが広がっていることも影響しているのではないかと感じました。

タイ市場においては、いわゆる「地方(主要都市以外)」が認知を伸ばしていくチャンスがあり、
今後のプロモーションにおいても良い機会になると考えられます。

今年特に印象に残った日本関連ブース

④.NHK WORLD-JAPAN:アプリDLを目的とした参加型施策
今年、新たに目に留まったブースの一つが NHK WORLD-JAPAN です。
このブースでは、アプリのダウンロード数を増やすことを目的に、
「アプリをダウンロード → その後ブース内のゲームに参加」 という導線が設計されていました。

単なる情報提供にとどまらず、イベント後も接点が続く「アプリ」という形を残す施策として、
非常に実践的で参考になる取り組みだと感じました。

また、ブース前面では 藤井 風(Fuji Kaze) のコンサート映像が上映されており、
通路を歩く来場者が足を止めて映像に見入る様子が多く見られました。

藤井風は、ここ2〜3年でタイ国内でも知名度と人気が高まっているアーティストであり、
その影響もあって、ブース周辺には自然と人が集まっていました。

このことから、アーティストやアイドルなど、タイで認知度のあるコンテンツを“入口”として活用することで、
ブースへの誘導効果が高まる
という点を改めて実感しました。

⑤.しまむら:日本のライフスタイルブランドとしての存在感

Japan Zoneでは、しまむら(Shimamura) のブースも確認できました。
旅行関連ブースではありませんが、日本の衣料・ライフスタイルブランドとして、
「日本らしさ」やブランドイメージを感じさせる存在として一定の注目を集めていました。

⑥.定番人気のTAKEYA(通称:紫のビル)

毎年出展している TAKEYA(タケヤ/タイでは「紫のビル」として知られる) も、今年も変わらず高い人気を保っていました。すでにタイ人の間で認知度が高いブランドであることから、
「目的を持って訪れる来場者」が多いブースの一つだと感じました。

会場で特に賑わっていたゾーン

当日、特に人の流れが多く賑わっていたのは、Trip.comTraveloka といった OTA(オンライン旅行代理店) のブース、そして JAL などの航空券関連ブースでした。

共通していたのは、来場者が「その場でお得さを実感できる」導線が明確だった点です。
例えば、

  • クーポン配布や会場限定特典
  • 当日予約で追加割引
  • クレジットカード会社との共同プロモーション
    といった施策が多く、情報提供だけでなく「すぐに行動につながる」プロモーションが集客に効果的だと感じました。

来場者の傾向と行動

会場全体で目立っていた来場者層は、働く世代のカップルやファミリー層でした。
複数のブースを回りながら、プロモーション内容や条件を比較している様子が多く見られました。

一方、ツアー会社ゾーンでは シニア層(高齢者) の来場が比較的多く、
主に価格の確認各社パッケージの比較検討を目的にブースを訪れている印象でした。

また、ツアー会社の担当者からは、「問い合わせ数は多い一方で、購入(成約)につながる割合は、
2025年と比べるとやや少ない」という声も聞かれました。

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韓国(Korea Pavilion/KTO)を中心とした他国ブースの印象

日本関連ブース(Japan Zone)以外にも、韓国関連のブースが出展していました。
特に韓国は Korea Pavilion(KTO:韓国観光公社) としてまとまった形で展開されており、会場内では スタンプイベント や クイズゲーム、さらに FIT(個人旅行)向けの旅行相談・旅程プランニング など、参加型のコンテンツが用意されていました。複数の都市・地域情報を一度に得られる構成になっていた点も特徴的でした。

また、2026年1月24日 には、タイでも知名度の高い韓国俳優 パク・ボゴム(Park Bo Gum) を招いたステージ企画が実施されており、同氏は 韓国観光名誉広報大使(2025年) としても話題性が高いことから、ブース周辺では特に注目が集まっていました。

今年はこれまでの企画に加え、前年までと異なる要素として 「K-Beauty<化粧品>とMoment Studio」 といった“体験・クリエイター”要素を取り入れたコーナーも見られ、旅行情報だけでなく、韓国カルチャーの楽しさや参加体験を重視する方向性が感じられました。

一方で、Korea Pavilionで旅行情報を集める来場者は「非常に多い」という印象ではなく、むしろ アーティスト関連のステージ/ゲスト企画に並ぶ来場者の列の方が圧倒的に多かった ことが印象に残りました。実際、来場者の声としては「航空券やOTAのプロモーションを探しに来た」という意見もあり、旅行先の新情報(新しい観光地など)は、インターネットで得られるため、まだ具体的な旅行予定が固まっていない層が多いのではないかとも感じました。

まとめ

今回の TITF#31 を通じて、タイ市場における旅行プロモーションや来場者行動について、いくつかの重要なポイントが見えてきました。

まず、会場全体としては、単なる情報提供型の展示から、来場者が参加し、行動につながる仕掛けを重視したブース運営が主流になっていると感じました。
特に、SNSフォローやアプリダウンロードを起点とした施策は、イベント後も接点を維持する手法として有効だと考えられます。Japan Zoneにおいては、

  • TikTokを中心としたSNS活用の強化
  • 主要都市以外の地方エリアへの関心の高まり

といった変化が印象的でした。
これは、日本側の出展者がタイ人旅行者の嗜好や行動の変化を捉え、プロモーション戦略を柔軟に調整していることの表れだといえます。

また、NHK WORLD-JAPANのように
Fuji Kaze の映像活用のような 認知度の高いコンテンツを入口とした集客 は、今後のイベント出展においても参考になる事例でした。

一方で、OTAや航空券ブースの賑わい、ツアー会社ゾーンでの「相談は多いが成約は慎重」という動きからは、タイの旅行消費者が より比較・検討を重視するフェーズに入っている ことも感じられます。

TITFは、旅行商品の販売の場であると同時に、
タイ市場の消費者動向やマーケティングトレンドを把握するための重要な観測ポイント でもあります。
今回の気づきを、今後のタイ向けプロモーションや情報発信の設計に活かしていきたいと考えます。


タイマーケティング研究所 ピムピラ