~タイ市場攻略のヒント~

近年、タイは親日国としてますます注目を集めており、観光・教育・医療・製品輸出など、さまざまな分野の日本企業がタイマーケットへの関心を高めております。
しかし、タイの消費者にリーチし、信頼を獲得するには、「現地のタイ人が実際に使っているメディアと行動パターン」を理解することが不可欠です。
本記事では、タイ人がSNSをどのように使っているのかを分かりやすく紹介し解説します。
We Are Social &Meltwater社 が発表した「Digital 2025: Thailand」レポートでは、タイ国内のインターネットおよびソーシャルメディアの利用状況に関する最新のデータが紹介されています。
<タイにおけるソーシャルメディア利用者数(2025年初頭時点)>
18歳以上の人口に限定すると、そのうち 86.6% がソーシャルメディアを利用しています。タイでは、5,100万人がソーシャルメディアを利用しており、これは国全体の人口の約 71.1% に相当します。

<人気のソーシャルメディア・プラットフォーム>
タイで人気のあるプラットフォームは以下の通りです:
Facebook – 90.7%
LINE – 90.6%
TikTok – 85.7%
Facebook Messenger – 82.4%
Instagram – 63.7%
X(旧Twitter) – 45.9%
タイのユーザーは、ソーシャルメディアに 1日平均2時間32分 を費やしており、ソーシャルメディアが日常生活の中で大きな役割を果たしていることを示しています。
1. Facebookは今も主力!~生活と情報のハブ
タイではFacebookの利用者数が非常に多く、特に20代後半〜50代前半の層が活発に投稿・共有を行っています。
日々の出来事の投稿はもちろん、レビュー・口コミ・旅行情報・美容情報などの情報源としても活用されており、企業公式ページやグループ内でのPRも有効です。

この画像は、タイの人気コスメブランド「Cute Press(キュートプレス)」が公式Facebookページで発信した、新作香水シリーズ「Multi Mood」のプロモーション投稿です。
タイならではのSNS運用文化
- タイではFacebookがECチャネルの一部として確立されており、コメントでの質問・予約・購入も当たり前です。
- 商品紹介だけでなく、「ムード」「世界観」「感情」を重視するマーケティングが一般的。
- ビジュアルも鮮やかで、感情に訴えるコピーとともに“シェアしたくなる”デザインが意識されています。
このような投稿スタイルは、日本のSNS運用に比べてダイレクトな販売効果を狙いやすく、感性重視であることが特徴です。
2. TikTok & Instagramで「動画で知る・選ぶ」が常識に
若年層を中心に、TikTokとInstagramのショート動画での情報収集・商品比較が一般化しています。
レビュー動画や「使ってみた」系のコンテンツは影響力が強く、ECサイトより先にSNSで調べるという消費行動が定着しつつあります。

こちらは、タイのTikTokライブ配信でカラコン(カラーコンタクトレンズ)を紹介・販売している画面です。配信者が実際に商品を使用しながら、視聴者に向けて商品の魅力をリアルタイムで伝えています。
🎯 タイTikTokならではの特徴
タイと日本のTikTokライブには、以下のような違いがあります:
- 購入動線がスムーズで分かりやすい
商品価格・割引情報・「購入」ボタンが画面内に大きく表示され、視聴者がすぐに購入アクションに移りやすい構成になっています。 - 配信中の視聴者エンゲージメントが高い
コメントのやりとりが活発で、視聴者が質問すると即座に配信者が回答する双方向性が重視されています。
➤ 実際に「#รีวิวผู้ใช้งานจริง(実際のユーザーのレビュー)」のようなタグが使われて、信頼感も高まっています。 - ポップで親しみやすいビジュアル演出
商品パッケージやエフェクトに可愛らしいイラストやキャラクターを多用し、視覚的にも楽しい構成です。日本に比べてカジュアルでポップな印象が強いのが特徴です。 - ハッシュタグの使い方が積極的
例:「#ความงามและแฟชั่น(美容とファッション)」や「การจัดอันดับรายวัน(日間ランキング)」など、関連性の高いキーワードを表示して、検索経由での流入を促進。
🛒 ライブ中の購入方法
人気カラーや新作もその場で選べて、即購入可能。商品名や割引率が分かりやすく表示されています。
画面左下にあるショッピングバッグアイコンをタップすると、ライブ中に紹介された商品一覧が表示されます。
3. LINEはタイ人のメッセージアプリNo.1
日本と同じく、LINEはタイでも最も使われているメッセンジャーアプリです。
家族・友人とのやり取りはもちろん、企業アカウントを通じた販促・クーポン配信・アフターサービスにも利用されています。

この画像は、タイの美容クリニック「Gangnamclinic」が、LINE公式アカウントを通じて「友だち登録者」に配信したプロモーションの案内画面です。
🧩ポイント
既存顧客向けに「友だち限定プロモ」を強調し、リピートや来院促進を狙っています。
タイではLINEが販売チャネルそのものとして活用されており、広告・予約・顧客管理が一体化しています。
配信では、「画像インパクト+価格+絵文字+親しみある口調」の4点セットが一般的です。
ライブコマースの浸透:見て買うスタイル
Facebook LiveやTikTok Liveを使った「ライブ配信による販売」が活況で、服、化粧品、食品など幅広いジャンルで視聴者がその場でコメント・購入するという行動が定着しています。
タイでは「人を見て買う」「楽しみながら買う」という文化が色濃く反映されています。
では、「本音の声」や「リアルな反応」はどこで見られるのか?
上記のプラットフォームは非常に効果的ですが、一つ盲点になりがちなのが、「情報を探す場所」=掲示板文化の存在です。
タイ人は、商品や旅行先を検討する際に、実際の利用者の体験談・クチコミを非常に重視します。
その情報源の代表格が、次に紹介する「Pantip(パンティップ)」です。
情報収集・口コミ文化の中心地:PANTIP(パンティップ)
SNSがこれだけ発展しているにもかかわらず、タイには「検索して調べる文化」が根強く残っています。
その代表例が、タイ最大級の掲示板型サイト「PANTIP(パンティップ)」です。
◆ PANTIPとは?

- 月間6,200万PV・ユーザー数240万人
- 約260万人のFacebookのフォロワー
- 日本の「Yahoo!知恵袋」+「2ちゃんねる」+「食べログ」のような存在
- 分野別のフォーラム(観光、美容、健康、育児、ガジェットなど)が充実
- 「リアルな体験談」が多く、検索性・信頼性が高い
なぜPANTIPへの記事広告が有効なのか?
タイ人はSNSで「面白そう」と思った情報や商品を、あとで必ずWEBサイト検索して確認します。
この「検索先」として非常に高確率で出てくるのがPANTIPです。

<タイの人気サイトランキングから見るPantipの影響力>
We Are Social &Meltwater社 によると、Pantip.comはタイで6番目にアクセスされている人気サイトです。GoogleやYouTube、Facebookに並ぶ利用頻度の高さからも、Pantipが情報収集や口コミ確認の主要な場であることがわかります。
商品や旅行に関する意見交換が活発に行われているため、Pantipでの広告は検索されやすく、信頼されやすいという大きな利点があります。
このように、タイ人の行動特性に合ったPantipでの広告出稿は、効果的なプロモーション施策と言えます。
PANTIP広告の主な利点:
- 信頼性:ユーザー投稿型のため「広告臭」が薄く、自然に読まれる
- SEO効果:Googleで「商品名+レビュー」「日本旅行+おすすめ」で検索するとPANTIPのスレッドが上位表示されやすい
- 長期閲覧:投稿が長期にわたって残り続け、繰り返し読まれる
- ニッチターゲットにも届く:たとえば「妊婦向け旅行」「日本のドラッグストアおすすめ品」など、細かいテーマにも強い
どんな企業にPANTIP広告が向いているのか?
- タイ人に向けて 商品やサービスの認知拡大 を図りたい企業
- 訪日観光客向け商品(例:化粧品、家電、ドラッグストア商品) を広めたい企業
- 日本からの越境EC/輸出を展開中、または検討している企業
- ローカルなエリア情報(地方観光地・宿泊施設など)を紹介したい観光関連事業者
まとめ:タイ市場の入り口に「PANTIP」を
タイ市場へのアプローチは、単なるSNS広告だけでは十分とは言えません。
信頼性のある情報メディアにおける露出と、検索経由での発見性の高さが成功のカギです。
PANTIPへの記事広告は、「信頼されながら自然に広まる」ための有力な選択肢です。
SNSで興味を惹き、PANTIPで確信を得る——この組み合わせこそ、タイ市場における次の一手となるでしょう。
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